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この前、子宮頚がんの話を書いたのですが、
その後、いろいろネット上を見ていると、
子宮頚がんのみならず、ワクチン接種そのものに、
かなり反対されている人がいることに気づきました。

それとこの話がどの程度つながるかはわかりませんが、
予防医学、と言うものの悲しさ、虚しさを少し書いてみます。

僕はそもそも臨床医学の世界にいましたから、
患者さんから「ありがとうございました」と言われたこともあります。
つまり、病気になった人からすると、
病院に行って治った、という事実はとても大きいものですし、
そこに携わっていた医師や、看護師などスタッフに対して、
やはり感謝してくれる人が多いわけです。

ただ、そこでどうしても医療の限界で、
苦しさを取り除いてあげられなかったり、
見つかったときには手遅れのがんで亡くなる方がいたり、
そういうモチベーションもあって、
公衆衛生、疫学と言う世界にいるわけです。

…ところが。
例えばワクチンを打って病気になったのかならなかったのか、
病気にならなかった人にとっては、どちらでもいいことですし、
ワクチンに感謝することはまずないでしょうね。
実際、本当にワクチンのおかげだったのかは誰にもわかりませんし。

同じように、健康診断でやせたから病気にならなかった…かどうかも、
実のところわからなかったりするわけです。
太っていても、十分長生きしている人もいるわけですし。

つまり個人のレベルで見た予防なんてそんなものです。

では、何でそんなことをしているのか。

これは、一人ひとりの病気、
というものだけを取り出していたのでは見えないので、
大きな集団、例えば自治体、国と言った中で、
がんなどの病気の人がどのくらいいるのか、
喫煙者は、肥満者は…、といったデータをまとめることによって、
何がどの程度、病気のリスクになっているかを判断し、
明らかに禁煙すれば、肺がんで亡くなる人が減る、
と言うところから、禁煙を勧めたりしているわけです。

ところで、ワクチン接種して、
病気にならなくても誰も気づきませんが、
ワクチン接種で副反応(副作用)が出た場合、
どのように考えられるでしょう?

当然、「やらなければよかった」と思いますよね。

もう一度、臨床の世界の話に戻りますが、
病気の人が病院に行って、手術をしました…という場合、
具合が悪いので、何かしないと苦しくて仕方がない…、
何も治療しないで放置したら、
それこそ医者として仕事をしていないことになります。
しかし、少なくとも今の医療では、
ある程度の症状の改善をもたらすことはでき、
「やらなければよかった」と、
患者さんが思うことはほとんどないはずです。
(少数例として存在する可能性はありますが)

もし、手を施してもあまり改善しなかったとしても、
当然、何もしないよりは良かった、となるはずです。
そこには、何とかしたい、どうにか助けたい、と言う、
医者を中心とするスタッフの必死の思いがあるからだと思います。

つまり臨床では、
何か治療してネガティブな感情を持たれる可能性は、
とても低いと思いますが、
公衆衛生の世界では、何か予防策を行った方が、
そういうネガティブな感情が、
外に出てくる可能性が高くなるわけです。

しかしながら、公衆衛生で何もしなければ、
知らず知らずのうちに病気になって、
病院に行ったけれど手遅れでした…と言う人が増えるわけです。

そこで、例えば副反応や副作用、そういったもののために、
ワクチン接種などをしないがために、
ある種の感染症などが増えて、患者数が増えたときに、
社会ではどのような意見が出てくるのでしょう?

きっと、国が何もしない、
医者が何もしないのがいけない、
となるはずです。

結局のところ、仕事をやってもやらなくても、
どこからかは、叩かれてしまうわけです。

僕たちの仕事は正直なところ、結果は誰にも見えません。
医者、と言っても、とても地味なところで仕事をしています。

しかし、僕はがんで亡くなる方を何人も見てきました。

検診に行ったから、それこそワクチンを接種したから、
がんにならなかったかなんてことは、神様にしかわかりません。

でも、検診に行かなかったから、
ちょっと手遅れになったというケースも、
世の中にはいっぱいあるわけです。

だからこそ、公衆衛生にかかわっている皆さん。
自分たちが行っている予防医学が、
どの程度社会に寄与しているのか、
そして、一方でそのために不利益を被っている人が、
どのくらいいるのか、ちゃんと明らかにしましょう。

そして、不利益を被っている人に対しては、
誠心誠意、対応していくべきだと思います。

一方で、医師である以上、
自分がその副反応に当たってしまうのが怖いからと言って、
集団としての予防策としては最も適切である、
ワクチン接種から逃げるようなことをしてはいけないと思います。
何か起こったときの訴訟を恐れて…というケースもあるかもしれませんが、
接種後、ある程度観察を行ったり、リスクを考慮した対応をすることで、
重症化することを防ぎ、リスクを軽減することができるかもしれません。

できるだけ大勢の人に理解してもらえる、
そういう予防医学の仕組みを達成するためには、
しっかりデータとり、それをまとめて、
そして偏りのない、科学者としての目で、
結果をまとめて行くしかないのだと思います。
しかも、それは実のところ、
とても難しくて、時間がかかって、
根気のいる作業なのでしょうが。

悲しくても、虚しくても、
それをやっていかなければ、僕たちの仕事の意味はないのです。
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2010.04.10 Sat l 仕事のこと l コメント (0) トラックバック (0) l top

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